Pride Woodデザインプロジェクト
2020年度 実施
ここ数年、木育に対する認識は大きく高まり、木育ひろば、おもちゃ美術館などが各地に建設されるなど、教育や保育の中で木材を積極的に活用しようとする動きが増えています。安全や安心、そして製品の質が重視される教育、保育の世界にあって、「木育ツール」「木育空間」の開発、提供は、高い付加価値を持った国産材利用の形態、そして新たなマーケット形成につながるものと考えられます。
私たちが今回の事業の中でとりあげた、「木育デザイン」という分野は、木育や保育、そしてこどもについての理解を持ち、よりよく子どもを育てる様々な取り組みを支えるものであり、質の高い木材利用の一翼を担うものと考えられます。この木育空間デザインの課題は、木育を理解し、保育や教育の現場を知り、デザインとして提供できる人づくりであり、よりよいデザインを普及させていくことにあり、私たちは昨年度に引き続き、その解決に向けた取り組みとして、「木育デザイン研修会 虎の穴」を実施しました。
今年度は、教育、保育で求められる「木育ツール」「木育空間」のデザインについて、木育、保育、そしてこどもの発達についての基礎を学ぶ「ビギナーコース(Bコース)」と、そうした基礎を学び、それを活かし具体化する実践としての「アドバンスコース(Aコース)」と2つの研修プログラムを用意し、①木育の理解、②保育・保育環境の理解、③木育空間づくりの理解をもつ、優れた木育空間デザイナーの養成を、4か月にわたり進めました。
ビギナーコース研修は6回構成(隔週1回)とし、木育デザインに必要な、木育、保育、木材利用についての基礎学習と、保育、木材利用、デザインの実践者による具体事例の学習、および木育ツールデザインの演習課題(エスキース課題)を研修内容として、構成しました。なお演習課題は「木育の玩具、遊具、空間のデザイン」としました。
アドバンスコースにおいては、「さいたま市内に実在する小規模保育施設に設置する遊具、玩具、ツール開発」をテーマとして、保育者ニーズに沿った木育ツールのデザインとその試作を課題として提示しました。全6回の研修中は毎回課題作品についての討論を行い、終了後に試作の実製作を行い、見事に4点の試作が完成しました。今後、実際に保育施設等で使用していただき検証を行う予定です。
◎令和2年度 顔の見える木材での快適空間づくり事業